CHAPTER 04

効果的なプロンプトの書き方

Claude の回答の質は、ほぼ 指示(プロンプト)の質 で決まります。この章では「いつでも 7 割の品質が出せる」型を身につけることを目標にします。

良いプロンプトの 4 要素

プロンプトには次の 4 つを入れると、回答の精度が一気に安定します。覚え方として 「役・目・文・形」 と呼んでいます。

要素意味具体例
役割 Claude にどんな立場で答えてほしいか 「あなたは新人エンジニアを指導する先輩として」
目的 何のために、何を生成してほしいか 「明日の社内勉強会で使うため、5 分で説明できる資料を作って」
文脈 背景・前提・素材となる情報 「対象は入社 1 年目の SE、テーマは Git ブランチ戦略」
出力形式 欲しい形(箇条書き/表/文字数/言語等) 「Markdown の箇条書きで 10 項目以内、各項目 1 行で」

4 要素を入れた完成形プロンプト

あなたは新人エンジニアを指導する先輩です。 明日の社内勉強会で使うため、5 分で説明できる「Git ブランチ戦略」の解説資料を作ってください。 対象は入社 1 年目の SE、Git の基本コマンドは知っている前提です。 出力は Markdown の箇条書きで 10 項目以内、各項目は 1 行に収めてください。

Before / After で見るプロンプト改善

例 1:メールの作成

BAD

「お客さまへのお詫びメール書いて」

GOOD

「重要顧客の A 社向けに、納品遅延のお詫びメールを書いてください。原因は社内システム障害(顧客起因ではない)、新しい納品日は 2026/06/03 です。先方は経営層も読むので、丁寧かつ事実関係を明確に。300 字程度・件名込みでお願いします。」

例 2:技術的な質問

BAD

「Python でエラー出た。直して」

GOOD

「Python 3.11 で次のコード(後述)を実行したら、ImportError が出ました。コードとエラーメッセージを貼ります。原因と修正案を、初学者向けに 3 行ずつ説明してください。」

例 3:資料の要約

BAD

「この資料まとめて」

GOOD

「添付の議事録(PDF)を、経営層への報告メール用に要約してください。冒頭 3 行で結論、続けて重要な決定事項を箇条書きで 5 つまで、最後に未解決の論点を 1 行で。」

やりがちな失敗パターン

1. 指示が短すぎる

「いい感じに」「適当に」だけだと、Claude は無難に当たり障りのない出力を返します。これは「Claude が悪い」のではなく、目的が曖昧だからです。

2. 文脈を渡さない

「うちの A プロジェクト」「いつものお客さん」など、Claude が知らない情報を前提にしてはいけません。初対面の人に説明するつもりで背景を書きます。

3. 出力形式を指定しない

「箇条書きで」「表で」「200 字以内で」「Markdown で」「英語で」など、欲しい形を指定するだけで、整形にかかる手戻りが激減します。

4. 一度で完璧を求める

1 発で完璧な回答が出ることは少なめです。次の節で説明する「対話で育てる」アプローチが基本です。

対話で育てるアプローチ

Claude は会話の文脈を覚えています。最初の回答を見て、不足や違和感があれば、そのまま会話を続けて修正していきましょう。

  1. ざっくり依頼する
    まずは骨子だけを依頼。「議事録から決定事項を抜いて。」
  2. 欠けている観点を追加する
    「上の出力に、各決定事項の担当者と期限も入れて。」
  3. 体裁を整える
    「表形式にして、列は『決定事項/担当/期限』。」
  4. 仕上げを指示する
    「経営層向けに、冒頭にサマリ 3 行を追加して。」
TIP 話が大幅にズレてしまった場合は、無理に修正を重ねるより新しい会話で再スタートした方が早いです。前の出力で良かった部分だけコピーして、新しい会話に貼ると効率的です。

カスタム指示・Projects の活用

Claude.ai では、自分宛のすべての会話に共通で効くカスタム指示(設定 → Personalization など)を登録できます。たとえば次のように設定しておくと毎回の冒頭が短く済みます。

カスタム指示の例

私は当社の SE です。回答は日本語で、結論を先に書き、根拠を後段で示してください。 箇条書きは最大 5 項目までにしてください。 不明点は推測せず、私への確認質問として返してください。

特定の業務に毎回同じ前提が必要な場合は、第 3 章で紹介した Projects を使い、Project ごとの専用指示・ナレッジを設定するとさらに便利です。

注意 プロンプトに機密情報・顧客情報を貼り付ける前に必ず立ち止まること。詳しくは 第 6 章を確認してください。

この章のまとめ