PRACTICE STEP 02
改善フローを Claude と検討する
本 STEP では、STEP 01 で作った「現状フロー図」を Claude にレビューさせ、改善案を発散・集約して、Before / After 1 枚図と改善ポイント一覧に仕上げます。改善観点の「型」を Claude に与えるのがポイントです。
準備:新しいセッションで開始する
本 STEP は
STEP 01 とは別の新しい Claude セッションで進めます。STEP 01 の最後で作成した
「STEP 02 引き継ぎパッケージ」(Markdown Artifact)を、本 STEP の最初のメッセージとしてそのまま貼り付けてください。これだけで本 STEP の前提・業務情報・現状フロー Mermaid・ステップ別工数などがすべて Claude に渡ります。引き継ぎパッケージ未作成の場合は、
STEP 01 のセクション 10 で先に Artifact を作ってから戻ってきてください。
本 STEP の最初の 1 メッセージ(テンプレート)
以下は、業務改善ガイド STEP 01 で作成した「STEP 02 引き継ぎパッケージ」です。本パッケージの「0. 前提」に書かれた責務に従い、本セッションでは STEP 02 の作業(改善案の検討と Before/After 図化)のみを行ってください。最終成果物の体裁整えや、業務情報の追加ヒアリングは行わないでください。
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[ここに STEP 01 で出力した「引き継ぎパッケージ」Artifact の全文を貼り付け]
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準備ができたら「STEP 02 を開始する準備ができました」とだけ返答してください。次に私からレビュー指示を出します。
1. 全体の流れ(4 ステップ)
-
STEP A:Claude に現状フローをレビューさせる
改善観点の枠組み(ECRS など)を与えて、現状フローの課題を洗い出させる。
-
STEP B:改善案を発散させる
まずは制約なしで案数を稼ぎ、その後コストと効果で 3 案に絞る。
-
STEP C:改善後フローを描く
採用した改善案を反映した「改善後フロー」を Mermaid で描く。
-
STEP D:Before / After を 1 枚にまとめる
上下並列のサブグラフで Before と After を 1 枚に並べ、削除・自動化箇所を色分けする。
2. STEP A:Claude に現状フローをレビューさせる
Claude に「改善してください」とだけ頼むと、提案が表層的になりがちです。改善観点の枠組みを与えると、抜けのない網羅的なレビューになります。代表的な枠組みは ECRS(イクルス)です。
- E(Eliminate:排除) — そもそも無くせるステップはないか
- C(Combine:統合) — まとめて 1 つにできるステップはないか
- R(Rearrange:並替) — 順序を入れ替えると効率化するか
- S(Simplify:簡素化) — もっと簡単な方法に置き換えられないか
これに加えて、現代的な改善観点として下記も Claude に渡します。
- 自動化できる候補(システム連携・RPA・AI による下書き)
- 属人化しているステップ(特定の人しか判断できない)
- 無駄なハンドオフ(部署をまたぐたびに待ち時間が発生している箇所)
- 承認・チェックの重複
プロンプト例
先に貼り付けた引き継ぎパッケージの「2. 現状フロー図(Mermaid)」と「3. ステップ別詳細」を一次情報として、次の観点でレビューし、課題を洗い出してください。
【観点】
1. ECRS(排除・統合・並替・簡素化)の各観点で改善余地があるステップ
2. 自動化候補(システム連携・AI 活用・RPA など)
3. 属人化しているステップ(パッケージの「属人化メモ」列を参考に)
4. 無駄なハンドオフ・待ち時間が発生しているハンドオフ
5. 承認・チェックの重複
【出力ルール】
- 観点ごとに、該当するステップ番号と「なぜ課題か」「どう変えうるか」を表で
- パッケージで「未収集」となっている項目は、推測で穴埋めせず「STEP 01 未収集(要追加調査)」と明記
- 工数削減効果の見積もり(大/中/小)を 1 列加える
- 「3. ステップ別詳細」の 1件工数・月間頻度を根拠に、月次の影響を併記
3. STEP B:改善案を発散させる
STEP A で洗い出した課題に対して、改善案を出させます。1 案で満足せず、まず数を出すのがコツ。発散と収束を 2 段階に分けます。
プロンプト例(発散)
STEP A で挙がった課題に対する改善案を、現実性・コストを一切考えずに 10 案出してください。極端な案・突飛な案も含めて構いません。
- 各案について「何を変えるか」「期待効果」を 1〜2 行で
- 同じ系統の案はまとめず、別案として独立で書く
プロンプト例(収束)
上記 10 案について、次の基準で評価し、推奨 3 案を選んでください。
- 導入コスト(低/中/高)
- 期待効果(工数削減・品質向上・リードタイム短縮)
- 実現までの期間(即日/1 ヶ月以内/3 ヶ月以上)
- 必要なステークホルダー(自部署のみ/他部署/経営判断)
出力形式:
- 推奨 3 案を表で(評価指標を列に)
- 各案について「採用理由」と「採用時の懸念」を 2〜3 行
TIP
最初の 1 案で満足せず、3〜5 案を出させて選ぶと質が上がります。Claude は 1 案目を最も無難・保守的に出す傾向があるので、2〜3 案目以降のほうが面白い提案が混ざります。
4. STEP C:改善後フローを描く
採用した改善案を反映した「改善後フロー」を、STEP 01 と同じ手順で Mermaid 図にします。削除されたステップ・自動化されたステップを色分けしておくと、次の STEP D で Before/After に並べたときの差分が一目でわかります。
プロンプト例
上記で採用した改善案を反映した「改善後フロー」を、STEP 01 と同じ Mermaid 記法で描いてください。
- 向きはオリジナルと揃える(TD or LR)
- 削除されたステップは描かない(凡例で「削除:○ステップ」とだけ記載)
- 自動化されたステップは、ノード末尾に「(自動)」と明記
- classDef で「auto」スタイル(緑系)を定義し、自動化ノードに class で割り当て
- 出力はコードブロックのみ
5. STEP D:Before / After を 1 枚にまとめる
改善提案資料の主役は、Before と After を 1 枚で並べた図です。Before は STEP 01 で作った受注業務フローをそのまま再掲し、各ノードに営業工数(分)を併記します。After は同じノード構成・分岐のまま、AI 化/自動化された箇所のラベルに改善内容を追記し、所要時間を更新します。「ノード構成を変えず工数だけ書き換える」のがポイントで、これにより「同じ業務の同じステップが、改善後にどう短縮されたか」が一目で対比できます。
プロンプト例
引き継ぎパッケージの「2. 現状フロー図(Mermaid)」と「3. ステップ別詳細」をベースに、Before(現状)と After(改善後)を 1 枚の Mermaid 図にまとめてください。
- Mermaid の flowchart TB(上下に並べる)
- Before はパッケージの Mermaid をそのまま再掲し、各ノードに「3. ステップ別詳細」の 1件工数(分)を併記(パッケージで「未収集」となっている工数は推測せず「(未収集)」と表記)
- After は同じノード構成のまま、AI 化/自動化された箇所のラベルに改善内容(例:「AI 下書き支援」「ワークフロー自動」)を追記し、所要時間を更新
- 「AI 化/自動化されたノード」は緑系(classDef auto)で色分け
- 各サブグラフのタイトルに合計営業工数を入れる(例:合計 245 分 → 120 分)
- 出力はコードブロックのみ
出力イメージ(Mermaid ソース)
flowchart TB
subgraph Before["Before:現状の受注業務フロー(営業工数 合計 例 245 分)"]
direction TB
BA["問い合わせ受領<br/>(5)"] --> BB["要件ヒアリング<br/>(60)"]
BB --> BC["見積作成<br/>手作業 (60)"]
BC --> BD{"顧客の<br/>稟議結果"}
BD -- 承認 --> BE["受注確定<br/>(20)"]
BD -- 却下 --> BX["失注:理由を記録<br/>(15)"]
BD -- 追加要望 --> BB
BE --> BF["キックオフ<br/>(60)"]
BF --> BG["開発・納品"]
BG --> BH{"検収"}
BH -- OK --> BI["請求・完了<br/>手作業 (40)"]
BH -- NG --> BJ["是正対応"]
BJ --> BH
end
subgraph After["After:AI 支援+ワークフロー化(営業工数 合計 例 120 分)"]
direction TB
AA["問い合わせ受領<br/>(5)"] --> AB["要件ヒアリング<br/>(60)"]
AB --> AC["見積作成<br/>AI 下書き支援 (15)"]
AC --> AD{"顧客の<br/>稟議結果"}
AD -- 承認 --> AE["受注確定<br/>ワークフロー自動 (5)"]
AD -- 却下 --> AX["失注:理由を記録<br/>CRM 自動 (5)"]
AD -- 追加要望 --> AB
AE --> AF["キックオフ<br/>AI 議事準備 (25)"]
AF --> AG["開発・納品"]
AG --> AH{"検収"}
AH -- OK --> AN["請求・完了<br/>会計自動連携 (10)"]
AH -- NG --> AJ["是正対応"]
AJ --> AH
end
classDef auto fill:#eaf4ed,stroke:#8fbf9f;
class AC,AE,AX,AF,AN auto
実際の表示
flowchart TB
subgraph Before["Before:現状の受注業務フロー(営業工数 合計 例 245 分)"]
direction TB
BA["問い合わせ受領<br/>(5)"] --> BB["要件ヒアリング<br/>(60)"]
BB --> BC["見積作成<br/>手作業 (60)"]
BC --> BD{"顧客の<br/>稟議結果"}
BD -- 承認 --> BE["受注確定<br/>(20)"]
BD -- 却下 --> BX["失注:理由を記録<br/>(15)"]
BD -- 追加要望 --> BB
BE --> BF["キックオフ<br/>(60)"]
BF --> BG["開発・納品"]
BG --> BH{"検収"}
BH -- OK --> BI["請求・完了<br/>手作業 (40)"]
BH -- NG --> BJ["是正対応"]
BJ --> BH
end
subgraph After["After:AI 支援+ワークフロー化(営業工数 合計 例 120 分)"]
direction TB
AA["問い合わせ受領<br/>(5)"] --> AB["要件ヒアリング<br/>(60)"]
AB --> AC["見積作成<br/>AI 下書き支援 (15)"]
AC --> AD{"顧客の<br/>稟議結果"}
AD -- 承認 --> AE["受注確定<br/>ワークフロー自動 (5)"]
AD -- 却下 --> AX["失注:理由を記録<br/>CRM 自動 (5)"]
AD -- 追加要望 --> AB
AE --> AF["キックオフ<br/>AI 議事準備 (25)"]
AF --> AG["開発・納品"]
AG --> AH{"検収"}
AH -- OK --> AN["請求・完了<br/>会計自動連携 (10)"]
AH -- NG --> AJ["是正対応"]
AJ --> AH
end
classDef auto fill:#eaf4ed,stroke:#8fbf9f;
class AC,AE,AX,AF,AN auto
TIP
工数(分)は「1 件あたりの所要時間 × 月間件数」で月次の削減効果に換算できます。次の STEP 03 で成果物にまとめる際、この月次効果を「効果見積もり」セクションに転載します。
6. 改善案の現実チェック
注意
Claude の改善提案は
理想形に寄りがちです。「システムを連携させる」「全部自動化する」と簡単に書きますが、実際には次のような現場制約があります。
- システム改修のコスト・スケジュール(情シスとの調整が必要)
- 運用ルール・規程の変更可否(コンプライアンス・監査)
- 他部署の合意形成・組織政治
- 移行期間中の二重運用の負荷
これらは Claude では判断しきれないため、
「Claude の提案」「現場制約からの現実的な姿」を分けてメモしておきます。次の STEP 03 でこのメモを「前提・制約条件」として成果物に含めます。
現実チェック用プロンプト例
先ほどの推奨 3 案について、私が事前に把握している現場制約を踏まえてリスクと前提を整理してください。
【現場制約】
- 基幹システムは年 1 回の改修タイミングしか触れない
- 他部署(開発・経理など)との交渉は四半期に 1 回しか機会がない
- ○○の規程変更は法務承認が必要
【出力】
- 各案について「現実的に実行可能か」「実行できない場合の代替案」を表で
- 段階的導入(小さく始める)の提案があれば併記
7. 次セッションへの引き継ぎパッケージ作成
本 STEP の最後に、STEP 03 を別セッションで進めるための「引き継ぎパッケージ」を Claude に Artifact として出力させます。STEP 03 では新規の改善案検討は行わず、本パッケージの内容を上申用の成果物に整形するだけで済む構成です。
プロンプト例
ここまでのレビュー結果・改善 3 案・Before/After 図・現場制約を、STEP 03 で別セッションに引き継ぐための「引き継ぎパッケージ」として Markdown の Artifact 1 枚にまとめてください。構成は以下を厳守してください。
# 業務改善ガイド|STEP 03 引き継ぎパッケージ
## 0. このパッケージの前提(受け手の Claude へ)
### 全体目的
社内の特定業務について、Claude との協働で「現状フロー → 改善案 → 上申用成果物」を作成する 3 STEP のガイドです。最終ゴールは AI 活用推進担当者に提出する改善提案資料の作成。
### 現在地
**STEP 03 / 全 3 STEP**(STEP 01・02 は完了)
### STEP 別の責務
| STEP | 状態 | やること | 成果物 | やらないこと |
|---|---|---|---|---|
| 01 | 完了 | 現状業務フローの可視化 | 現状 Mermaid + ステップ詳細表 | 改善案の提案 |
| 02 | 完了 | 改善案の発散→収束→Before/After 図化 | Before/After 図 + 採用 3 案 + 現場制約 | 最終成果物の体裁整え |
| 03 | 進行中 | 上申用成果物の整形 | 提案資料 / 文書(Markdown 1 ファイル) | 新規改善案の追加・業務情報の追加ヒアリング |
### STEP 03 受け手 Claude への指示
- 本パッケージの「2. Before/After 図」「3. 採用 3 案」「1.5 ステップ別詳細」をそのまま成果物に組み込むこと(新しいアイデアを足さない)
- 新規の改善案発散・現場制約の追加質問はしないこと(STEP 02 で済んでいる)
- 数値・固有名詞をパッケージから一字一句変更しないこと(推測値も「(STEP 02 時点未収集)」のまま残す)
## 1. 対象業務(STEP 01 引き継ぎより再掲)
- 業務名 / 所属 / 月間頻度 / トリガー
## 1.5 ステップ別詳細(STEP 01 引き継ぎより再掲)
| # | ステップ | 担当 | インプット | アウトプット | 分岐条件 | 1件工数(分) | 月間頻度 | 属人化メモ |
(STEP 01 引き継ぎパッケージの「3. ステップ別詳細」を一字一句変更せず転載。Mermaid 図だけでは各ステップの中身がレビュアーに伝わらないため、最終成果物に必ず再掲する必要があります)
## 2. Before / After フロー(Mermaid 1 枚)
(subgraph Before / After のコードブロック)
## 3. 採用した改善 3 案
| # | 改善内容 | 該当ステップ番号 | 期待効果 | 導入コスト | 必要ステークホルダー | 採用理由 | 懸念 |
(「該当ステップ番号」列は「1.5 ステップ別詳細」のステップ番号と一致させ、改善案がどのステップを変えるのか追跡できるようにする)
## 4. 現場制約と現実的な落とし所
- 制約 1 / 制約 2 / 段階的導入の提案
## 5. 効果見積(月次換算)
- 1 件あたり削減:◯分 → 月◯件で月◯時間/年◯時間
## 6. 未確認事項(STEP 01・02 で「未収集」と扱った項目)
- 項目 / なぜ確認が必要か
# ルール
- 上記の見出し階層・セクション番号は厳守(1.5 を含む)
- 「1.5 ステップ別詳細」は STEP 01 引き継ぎパッケージの該当表を一字一句そのまま転載(要約・整形・推測値での補完を一切しない)
- 推測値で穴埋めしない(未収集は「未収集」と明記)
- Mermaid は ```mermaid フェンスで囲む
- 出力は Artifact 1 枚(type: text/markdown)
注意
引き継ぎパッケージには Before/After 図と効果見積の数値が含まれます。Artifact をコピーする前に、
固有名詞・契約金額・社員名が残っていないか必ず確認してください(詳細は
第 6 章)。
この STEP のまとめ
- 本 STEP は STEP 01 で作った「引き継ぎパッケージ」を新しいセッションの冒頭に貼り付けて開始する。
- 改善観点は ECRS + 自動化 + 属人化 + ハンドオフを Claude に明示的に渡す。
- 改善案は発散(10 案)→ 収束(3 案)の 2 段階で出させる。
- Before/After は 1 枚図に並べ、削除・自動化を色分け、工数(分)を併記する。
- Claude の提案は理想形に寄るので、現場制約を別途整理してパッケージに含める。
- 最後に 「STEP 03 引き継ぎパッケージ」Artifact を出力させ、STEP 03 の新しいセッションに 1 回貼り付ければ移行完了。